人生栗色

観たり読んだり考えた記録

実写化は百利あって一害なしという話

“実写化”と聞くだけで身の毛がよだつ2次元ヲタクも多いだろう。
でも1回冷静になって考えてみると実写化することで損してる人誰もいなくね?ということに気付く。
まず前提として認識しておいた方が身のためになるのは、実写化は原作ファンのためのものではなく新規顧客開拓のためのものであるということだ。
監督やら制作やらが「原作ファンにも納得のいく作品に」と言うのはプログラミングされたテンプレ台詞と思って聞かなかったことにする方がいい。
原作ものを実写化する理由なんてただ一つ、お金儲け一択だ。
無料で楽しめるコンテンツが豊富にある現代の日本において娯楽産業は衰退する一方なんだと思う。
邦画なんて制作費もろくにない中で一から面白いものを作るのは相当困難だろう。近年のヒット作連発は奇跡に近い。
そこで今日本の娯楽業界が縋っているのが実写化コンテンツなのだと思われる。
実写化は話題性もあるし動員数も稼げるから娯楽産業の命を繋ぐのに手っ取り早かったのだろう。
そんな金儲けのために好きな作品を利用されるなんて許せないと思う原作ファンも多いと思う。気持ちはわかる。
しかしお金儲けのため、が果たして悪いことなのだろうか?というとそうでもなかったりする。
まず実写化が成功しようとしまいと原作者にはお金が入る。これは間違いない。素晴らしい原作の生みの親にお金が入ることはファンとしても異論がないはず。
次に原作を知らずに実写作品を見に行った中から必ず原作に興味を持つ人が出てくる。これが大きい。
出演者のファンでマメなタイプなら予習のために原作を買うという人もいるだろう。
そこで新参者を威嚇してはいけない。「原作ファンが怖いから近寄らんとこ……」と思われたらジャンルを衰退させ自分の首を締めるだけだ。
人間何がきっかけで沼に落ちるかわからない。実写化をきっかけに原作の大ファンになるという人だって少なくないだろう。昨日の敵が明日の友になるかもしれない。
でもそしたら既存の原作ファンは蔑ろにされるばかりでは?と感じるかもしれないが落ち着いてほしい。
実写化されることにより大好きな原作の新規絵を作者が描き下ろしてくれる可能性、高くない……?これが何よりの御褒美にならないか……?
そもそも原作ファンにとっては原作の面白さや価値が揺らぐことがない。実写化という二次創作の出来不出来なんか自分の中の原作観に何の影響を及ぼすこともないだろう。
唯一無二は原作。その原作の、実写化がなければ描かれることがなかったであろう新規絵を、見られるきっかけが生まれた。
もうそれだけで大事件ではないのだろうか……大好きな原作の新規絵ほど嬉しいものなくない……?
実写化なんて原作の壮大なコスプレ広告と思って、面白かったら儲けもんくらいに考えておいた方が精神衛生上良いし楽だ。
たとえ大コケしようがそのせいで原作もつまらないのだろうと短絡的結論に至る人なんてほとんどいないと思う。
せいぜい「あの実写化作品コケたんだって」「原作ファンから叩かれてたもんな」くらいのものだろう。原作の価値が下がることはない。
作者自身が「原作レイプだ!」と怒ったり声を上げたときにこそファンが味方になってあげればいいと思う。
実写化ガチャはほとんどドブかもしれない。でもそこに課金することで経済が回り日本の娯楽産業が支えられていると思えば決して無駄じゃないはずだ。多分。
だからそこまで目くじら立てて敵視しなくてもいいんでないかなーと思ったりする呑気なヲタクの独り言であった。

2次元でも3次元でも人が真剣に作ったものはどこかしら好きになれる部分があるはずだからそこだけ美味しくいただいちゃうのが一番いい。